- インジケーターにはどんなものがあるの?
- インジケーターってどうやって使うの?
- 使いやすいインジケーターってある?
などの疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
この記事では以下のことがわかります。
- インジケーターを使う意味とは
- インジケーターの種類とインジケーター一覧
- おすすめインジケーターの使い方
などを解説しています。
インジケーターを使ってトレードしようと考えている方、インジケーターの使い方がいまいち明確になっていない方、などの参考になると思いますので、ご一読ください。
インジケーターとは
インジケーターとは、
- 価格情報から算出された数値を使い
- チャート上に視覚的にもわかるように表示させて
- 売買のタイミング、値動きの強さなどを計るためのツール
ということができます。
チャート上にインジケーターを表示させることで、投資判断を下す際の補助として役立ちます。
インジケーターの種類
インジケーターには、大きく分けて2種類あります。
- トレンド系インジケーター
- オシレーター系インジケーター
1つずつ解説していきます。
トレンド系インジケーター
トレンド系インジケーターの「トレンド」とは、流行や流れと言う意味で、FXにおいては相場の流れのことを指します。
トレンドには以下の2種類のトレンドがあります。
- 上昇トレンド
上昇トレンドは高値と安値を切り上げながら上昇している状態 - 下降トレンド
下降トレンドは高値と安値を切り下げながら下降している状態
トレンドが発生しているときに効きやすいインジケーターが、トレンド系インジケーターです。
トレンド系インジケーターの特徴は以下の通りです。
- トレンド相場で使うと効果的
- 主に押し戻りのタイミングを計るために使う
ですので、トレンド系インジケーターはトレンド相場のときに効果的なインジケーターであると言えます。
オシレーター系インジケーター
オシレーター系インジケーターの「オシレーター」とは、「振り子」のことで、どちらかに行き過ぎれば戻るという性質を意味しています。
オシレーター系インジケーターは、相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を把握するためのものです。
一方的に買われ続ける相場というものはありません。買われ過ぎれば売られ、売られ過ぎれば買われます。
例えば、ドル円を買って上昇してくれば、利益確定をする人が徐々に増えます。
一方で上がりすぎだと考えて、売ってくる人も増えてきます。
したがって、上昇しすぎると、利益確定する人や売る人が増えて、上がりすぎた状態が解消されるのです。
オシレーター系インジケーターはこのような買われすぎ、売られすぎの状態を把握する時に有効なインジケーターです。
トレンド系インジケーターやオシレーター系インジケーターというものがわかったところで、それぞれにはどのようなインジケーターがあるのか一覧で見ていきましょう。
インジケーター一覧
トレンド系インジケーター、オシレーター系インジケーター、を一覧でご紹介します。
トレンド系インジケーター一覧
- 単純移動平均線
- 加重移動平均線
- 指数平滑移動平均線
- 一目均衡表
- ボリンジャーバンド
- パラボリック
- ジグザグチャート
- 線形回帰トレンド
- エンベロープ
- 平均足
- P&F (ポイント&フィギュア)
以上のようなものがあり、この他にも様々なものが存在しています。
各FX会社や使用する端末によって、使えるインジケーターが異なるので、事前調査が必要です。
オシレーター系インジケーター
- MACD
- RSI
- RCI
- スローストキャスティクス
- ヒストリカル・ボラティリティ
- 移動平均乖離率
- モメンタム
- ATR
- DMI
- ADX
以上のようなものがあり、トレンド系インジケーター同様、他にも様々なものがあります。
このようにインジケーターには、多くの種類が存在しています。
しかし、多くのインジケーターを使ったからといって、勝てるわけではありません。
インジケーターは理解して使う必要があります。ですので、多く使うよりも「使い方」の方が重要です。
では、次におすすめのインジケーターのご紹介と使い方の解説を行っていきます。
5つのおすすめインジケーターの使い方
前述したようにインジケーターの種類は多数存在しています。
その中でも、以下の5つのインジケーターをおすすめしています。
トレンド系インジケーターとして以下の3つ。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- 一目均衡表
オシレーター系インジケーターとして以下の2つ。
- RSI
- ストキャスティクス
1つずつ解説していきます。
【おすすめトレンド系インジケーター1】移動平均線
移動平均線には以下のように3種類あります。
- 単純移動平均線(SMA)
- 加重移動平均線(WMA)
- 指数平滑移動平均線(EMA)
それぞれの移動平均線の特徴として、直近の価格変動に対する反応度合いがあります。
単純移動平均線<指数平滑移動平均線<加重移動平均線
以上のような順で、直近の価格変動に対する反応度合いが強くなっていきます。
しかし、直近への反応度合いの強さと、効くのかどうかとは関係ありません。
前述したように使い方の方が重要です。
移動平均線はトレンドが発生しているときに、押し戻りの基準として効果を発揮するので、トレンドの発生を見極めてから使用します。
トレンド発生の簡単な見分け方には、以下のような条件があります。
- 移動平均線が上向き(下向き)に推移していること
- 高値と安値を切り上げて(切り下げて)いること
移動平均線についてもっと深く知りたい方はこちらで解説しています。
【おすすめトレンド系インジケーター2】ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは以下のラインで構成されています。
- 移動平均線
- ±1~3σのライン
σは「シグマ」と読み、標準偏差を表します。
標準偏差はデータの平均値に対する、ばらつき具合を示したものです。
それぞれのバンド内に以下のような確率でレートが収まります。
- ±1σでは68.26%
- ±2σでは95.44%
- ±3σでは99.74%
±3σのバンド内で、ほとんどのレートが収まるので、逆張りが有効な手法と考えられます。
そうであるなら、+3σまでレートが上昇してきた時に売れば、高い確率で勝てるのでは?と考えられます。
しかし、半分正しくて、半分間違いです。
なぜなら、ボリンジャーバンドは相場状況によって使い方が異なるからです。
使い方の違いを上のチャートを使って解説していきます。
- 一番外側の赤ラインが±3σ
- 水色のラインが±2σ
- 黒のラインが±1σ
上のチャートからもわかるように、左側の上昇トレンドが出ているときに、+3σで売った場合、少し下げて大きく上昇しているのがわかります。(赤丸)
このようなトレードを繰り返していれば、トータルで勝つことは難しくなってしまいます。
ですので、トレンド状態にある時は、逆張りに使うのではなく順張り(押し戻り)に使うことになります。
上のチャートで言えば、左側の上昇トレンド時に+1σがサポートとして上昇していることがわかります。(黒丸)
このようにトレンドが出ている場合は、ボリンジャーバンドが押し(戻り)の目安となるのです。
一方で、右側の黒四角で囲まれたレンジ(上限と下限がある程度決まっていて、その中でレートが推移している状態)では、±2σからの逆張りが有効です。(水色の丸)
このように、レンジ相場では、冒頭で書いた確率の通り±3σや±2σからの逆張りが有効になります。
ボリンジャーバンドは、レートがどのような状態で推移しているのかによって、使い方が異なってきます。
ですので、インジケータの理解と使い方をマスターすることが優先されるのです。
【おすすめトレンド系インジケーター3】一目均衡表
一目均衡表は以下の5本のラインを使います。
- 転換線(赤ライン)
- 基準線(青ライン)
- 先行スパン(2本)(オレンジラインとグレーラインで囲まれた部分は雲として認識される)
- 遅行スパン(緑ライン)
一目均衡表では、時間・波動・水準を総合的に取り入れ、時間軸を重視して相場の方向性を予測します。
以下の条件が揃うと買シグナルとされます。
- 転換線が基準線を上抜け、かつ基準線が横ばいもしくは上向き
- 遅行スパンがローソク足を上抜け
- ローソク足が雲(先行スパン2本に挟まれたゾーン)を上抜け
チャート上の赤丸のポイント。
3つの条件が揃うことを「三役好転」といい、強い買シグナルとされています。
反対に、以下の条件が揃うと売りシグナルとされています。
- 転換線が基準線を下抜け、かつ基準線が横ばいもしくは下向き
- 遅行スパンがローソク足を下抜け
- ローソク足が雲を下抜け
チャート上の青丸のポイント。
3つの条件が揃うことを「三役逆転」といい、強い売りシグナルとされています。
一目均衡表は一見すると複雑そうに見えますが、理解すれば意外と簡単に使えるようになります。
以上3つのトレンド系インジケーターを見てきました。
次はオシレーター系インジケーターを見ていきましょう。
【おすすめオシレーター系インジケーター1】RSI
RSIは買われすぎ、売られすぎを見るときに使うオシレーターです。
一般的にRSIの水準によって、買われすぎ売られすぎを判断します。
- RSIが70%以上の時は買われすぎ
- RSIが30%以下の時は売られすぎ
上のチャートのように、RSIが70%ライン付近(赤丸)から戻されるタイミングで売り、30%ライン付近(青丸)から戻されるタイミングで買いを繰り返していればすべてのトレード勝てることになります。
では、チャートを右にずらして同じようにRSIの水準を基準にしてトレードしていったとしましょう。
30%ライン付近から戻されたタイミングで買っていきます。
先ほどとは違い、すんなりと上昇してくれません。
ほとんどの場合、少しだけ上昇するけれど、最終的には下落してしまっているので、トータルで勝つことは難しくなってしまいます。
先ほどのチャートの状態と今回のチャートの状態の違いは、前者がレンジであったのに対して、後者は下降トレンドであるということです。
以上から、オシレーター系インジケーターは、レンジでは機能しやすく、トレンド時には機能しにくいということがわかります。
オシレーター系インジケーターを使う時には、現在の値動きがレンジなのかトレンドなのかを判断する必要があります。
オシレーター系インジケーターはトレンド系のインジケーターと一緒に使って、トレンドが出ていないことを確認してから使用したほうが効果的に使うことができます。
【おすすめオシレーター系インジケーター2】ストキャスティクス
ストキャスティクスはRSIと同じく、買われすぎ売られすぎを判断します。
ストキャスティクスでは、「%K」「%D」の2本のラインを使用し、分析を行います。
一般的に買いのタイミングとして、20よりも下で%Kが%Dを上抜ける動きの時に買います。
反対に、売りのタイミングとして、80よりも上で%Kが%Dを下抜ける時に売ります。
上のチャートでは、レンジで推移しているためストキャスティクスがよく効いています。
しかし、明確に高値や安値を更新してくるような動きがあった時は、トレンド発生の確率が高くなるので、オシレーターの使用を控えなければなりません。
RSIの時と同様にチャートを右にずらしてみましょう。
下降トレンドが発生しているため、ストキャスティクスに従った売買タイミングでトレードすると、負けを積み重ねてしまうことになります。
ですから、RSI同様トレンド系のインジケーターと一緒に使い、トレンドが発生していない場面で使用することになります。
上のチャートでは、
- 高値と安値を切り下げてレートが推移
- 移動平均線が右肩下がりで推移
以上の事実を確認できれば、トレンドが出ている可能性が高いと判断することができます。
トレンド発生がわかれば、オシレーター系インジケーターの使用は控えて、トレンド系インジケーターを使用していくことになります。
このように、インジケーターの使い方はとても重要ですので、インジケーターの理解とともに把握していきましょう。
また、相場において高値や安値の推移はとても重要ですので、高値安値の推移に注目しておくだけでも大きなアドバンテージを得ることができます。
インジケーターのまとめ
インジケーターについて解説してきました。
インジケーターには 、
- トレンド系インジケーター
- オシレーター系インジケーター
2種類があり、それぞれのインジケーターで使う相場状況や使い方が異なります。
- トレンド系インジケーターは、トレンド相場で押し戻りに使う
- オシレーター系インジケーターは 、レンジ相場で上限下限付近からの逆張りに使う
インジケーターには、様々な種類のものが多数存在しています。しかし、複数のインジケーターをなんとなく使っていても、有効な判断をすることはできないでしょう。
ですから、初めのうちはできるだけシンプルなものを使い、値動きと合わせて理解することをおすすめいたします。