何をやるにも根本的な考え方、いわゆるマインドは大切です。なぜなら、 そのマインドに基づいて行動をするようになるからです。 もし、方向性が間違っていれば、せっかく行動しても無駄になってしまうこともありえます。
ですから、どのようなマインドをもって取り組むのか慎重に考えてみる必要があります。では、FXにおいて儲けるためにはどのようなマインドをもって 取り組めば良いのでしょうか。
この記事では儲けるためのマインドを解説し、 そのマインドをもとに具体的なアクションプランを提案しています。 FXの初心者だからこそ、最初の一歩である、どのようなマインドを持つかで その後の方向性が変わってきます。是非ご一読いただければと思います。
稼ぐために必要なマインドとは
稼ぐために必要なマインドってどんなものだと思いますか?稼ぐためには○○が必要!、稼ぐためには○○をする!などいろいろと考えられると思います。
しかし、一般的に考えられていることが正しいのなら、多くのトレーダーが稼げているはずですよね。しかし、現実的には稼げていない人が多いからこそ、少数の稼げるトレーダーにお金は流れ込むことになります。ということは、一般的に言われていることをやっても稼げる可能性は少ないのかもしれません。
損失から考える
では、どのように考える必要があるのか?「押してもだめなら引いてみな」と単純に逆の視点から考えればいいのではないでしょうか。
稼ぐという視点から考えると、どうしても利益にばかり目が向いてしまいます。ですから、逆の視点つまり、損失に目を向けることで一般的な考えとは反対の考え方ができると思いませんか?では、損失から考えるとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
わかりやすいように1回のトレードで考えてみましょう。普通なら「このトレードで○○円稼ぐぞ」と考えるところを「○○円の損失で抑えるぞ」と考えることで、損失から考えるという視点でトレードができることになります。
しかし、このような考え方で本当に稼げるのでしょうか?稼げるというよりも、この場合、リスクを小さく抑えることに力を注いでいるからこそ、結果的に稼げるという状態になったというほうが正しいのかもしれません。
リスクを限定するからこそ稼げる
利益を求める視点から、損失を抑える視点に切り替えるということは、自分でコントロール可能なものに視点を移していることになります。
例えば、ドル円を100円で買ったときに「10円稼ぐぞ」という稼ぐ視点で取引した場合と、「-10円で損切りするぞ」という損失を抑える視点で取引した場合とを比べてみましょう。
稼ぐ視点では価格が上がってきたときに10円稼げるかもしれませんが、それは「値動き次第」です。反対に価格が下がってきたときにどこまで下がるかわからないので、大きな損失が出る可能性があります。
一方で損失を抑える視点では-10円で損切りすると決めているので、最大のリスクは-10円に「限定」されます。反対に、利益は値動きに任せておくので、大きく上がる場合もあり、大きく稼げる可能性があります。
ちょっとした違いですが、自分でコントロールできるリスクを限定したからこそ、致命的な損失を回避することができたのだ、ということはご理解いただけたのではないでしょうか。このように損失、すなわちリスクから考え、そのリスクを事前に極限まで抑えるというマインドが結果的に稼げるマインドになるのです。
とは言っても、それで実際に稼げるの?とやっぱり考えてしまいますよね。では次に、実際に稼いでいる人はどんなマインドを持っているのかを見ていきましょう。
稼げる人ってどんなマインドを持っているのか
実際に稼いでいる人で誰もが納得できる最高峰の投資家と言えば、ウォーレン・バフェット氏ではないでしょうか?その稼げる人の代表例でもあるバフェット氏の投資ルールを参考に稼げる人のマインドを分析していきましょう。バフェット氏の投資ルールはいたって単純で
- ルール1.「損をしないこと」
- ルール2.「その原則を忘れないこと」
以上。シンプルすぎて当たり前じゃんと思いますよね。しかし、そこで終わらせてしまうのはもったいないと思います。バフェット氏のルールではこうやって稼ぐ!などの利益を求める視点が入っていないことがわかります。つまり、稼げる人の視点はどうやったら稼げるのか?ではないということがわかります。
まずはリスクに目を向け、そのリスクを徹底的に抑えるという考えが、ルールからも読み取れると思います。ですから、稼ぐためにはどうやったらリスクを抑えられるのかというマインドが必要になってくるのです。
では、リスクを抑えるというマインドが大切なのはわかったけど、そのマインドをもって何を行っていけばいいのでしょうか。次はリスクを抑えるためにできることを具体的に見ていきましょう。
リスクを抑える
まず、リスクを抑えることでどのような結果を引き起こすかをもう一度考えてみましょう。リスクを抑えることで損を少なくする状況を作り上げ、その状態を維持しつつトレードを継続していけば、たまに大きく利益が出るので結果的に資金が増えていくという自然の流れを作ることができます。
つまり、リスクを抑えるためにできることを行った結果、損小利大のトレードになるような仕組みが作り上げられるということになるのです。
仕組みがなければ損小利大のトレードにはならないワケ
仕組みがなく、普通にトレードしていると損小利大のトレードにはなりません。なぜなら、普通の感覚では利益を伸ばすことが難しいからです。
例えば、損小利大のトレードでは、1回のトレードで最大損失を50pipsまでとした場合、利益は50pips以上を狙っていくことになります。しかし、稼ごうとするマインドが強いと利益が出ているときに、その利益が減っていくことに耐えられず、少しの利益で決済してしまいます。
ですから、大きな利益を取り逃してしまい「利大」のトレードではなくなるのです。このようなことは特別なことではなく、誰もが経験しているものなのではないでしょうか。
トレードで勝てない原因となる損失回避の法則
では、なぜこのような経験を誰もがしているのかというと、損失回避の法則が働いているからです。損失回避の法則とは、「人は得をすることよりも損をしないことを選ぶ」という法則です。
例えば、利益が出ているポジションを持っているというケースを想定して、損失回避の法則をあてはめてみましょう。利益の出ているポジションを持っているときは、利益を伸ばすことよりも、その利益を失わないことを選ぶという無意識下での意思決定がされるため、利益確定が早くなってしまいます。
反対に損失が出ている状況では、損を確定させるよりもリスクを負ってでも損失を回避したくなるので、損切りが遅れ塩漬けか、大きな損切りを余儀なくされるのです。つまり、普通にトレードしていては、損大利小のトレードになってしまい勝つことが難しくなるのです。
損失回避の法則を回避するには
このように人間の本来備わっている無意識にしたがって、普通の感覚でトレードしていれば、勝つことは難しくなります。と言うのも、トレードは普通の感覚とは逆のことをやらなければならないからです。
例えば、20pipsの利益が出ているときに、10pipsまで利益が減ってくると、その利益がなくなる前に決済したくなります。この時にトレードの仕組み作りができているのと、できていないのとでは次の行動が違ってきます。
何の仕組み作りもできていなければ、利益を失いたくないため、10pipsで利益確定をしてしまいます。これが普通の感覚に従った結果です。一方で利益が伸びるのを邪魔しない形の仕組み作りができていれば、その仕組みに任せておけばいいだけなので、普通の感覚の入り込む余地はなく、損失回避の法則に影響されることなく「利大」のトレードができます。
ですので、損失回避の法則を回避するためにも、あらかじめ仕組みを作る必要があるのです。
フラットな状態で考える
重要なポイントなので、損失回避の法則についてもう少し詳しく解説します。損失回避の法則は利益が出ているポジションを持ちながら考えるため、少しでも利益を失わないようにと無意識下で意思決定がなされます。
しかし、ポジションを持っていないフラットな状態で考えれば、損失を回避する必要がないので、無意識下の判断に流されずに意思決定ができます。
ですから、あらかじめ仕組みを作ることが大切なのです。
リスクを明確化する
仕組み作りの最初にやることはリスクの明確化です。それによって、事前にリスクに対処することが可能になります。では、具体的にそのリスクについて考えていきましょう。リスクには以下のものが考えられます。
- 流動性によるリスク
- 突発的な自然災害などによるリスク
- 過剰なレバレッジによるリスク
- 値動きによるリスク
- 損失回避の法則により誤った意思決定をしてしまうリスク
などがあります。次はそれぞれのリスクに対する対処方法を検討していきます。
流動性によるリスク
流動性によるリスクは、流動性の少ない時間帯にトレードをすることで、不安定な値動きにより損失が出てしまう、というリスクと言えるでしょう。このリスクに対処するのは簡単で、流動性の少ない時間帯にはトレードをしないことです。
そんな簡単なことでいいの?と思われるかもしれませんが、リスクを抑えるために複雑なことをする必要はありません。1つ1つのリスクを明確にしてそれに対し自分ができることをするだけです。
突発的な自然災害などによるリスク
突発的な自然災害などによるリスクには、逆指値などを設定することくらいしか対応ができません。突発的なものなので、そのものに事前に対処する術がありません。普段からのリスク対策がそのまま突発的な自然災害などのリスクに対処する方法になります。
リスク対策とは対処可能なリスクに対処することであり、対処できないリスクを抑え込もうとしても無駄なので、対処可能なものに対応しましょう。
過剰なレバレッジリスク
過剰なレバレッジに対処する方法は総資金に対する2%程度の損切り価格を決めることです。損切り価格が決まれば、その価格を基準に損切り幅(pips)と取引枚数を決めることで適正なレバレッジは自ずと出てきます。ですので、損失額を基準にレバレッジを判断していきましょう。
値動きに対するリスク
値動きに対するリスクは、突発的な値動きが想定される時間帯を避けることです。突発的な値動きが想定される時間帯として、重要指標発表前後や要人発言が予定されている時間帯、早朝などの流動性の少ない時間帯などがあげられます。
損失回避の法則により誤った意思決定をしてしまうリスク
損失回避の法則により誤った意思決定をしてしまうリスクに対処する方法は、損切りのための逆指値、利益確定のための指値を設定しておくことです。そして、これらの逆指値、指値は何らかの根拠のあるポイントにするべきです。
例えば、上昇中に買いでエントリーしたのなら、上昇が崩れるポイントの下に逆指値を設定し、指値は大きな時間軸のレジスタンスになりそうなポイントの少し下に設定するなど、根拠のあるポイントにあらかじめ自動で損切りや決済される仕組みを作っておきます。
1つ1つのリスク抑制力は小さなものですが、小さな抑制力が積み重なることで、大きなリスク抑制力として機能してくれます。
以上リスクを抑えることについて解説してきました。はじめにリスクを明確にして、そのリスクに対する対処方法をあらかじめ決めておき、自動でできるような仕組みを作っておくことでリスクを抑えます。その仕組みの例として、
- 流動性の低い時間帯を避ける
- 突発的な値動きに対処するために逆指値を設定する
- 損切額を基準にトレードを組み立てる
- 重要指標や要人発言前後の時間帯のトレードを避ける
- 損切りは逆指値、利益確定は指値を設定しておく
などがあげられます。また、これらのリスクを抑える仕組みは実際にトレードをしながらその都度改善していく必要があります。
まとめ
FXで儲けるためのマインドを見てきました。稼ぐためには稼ごうとせず、リスクを抑えるためのマインドをもち、そのマインドで仕組み作りに力を注ぐことになります。
仕組みを作る際にはリスクを明確化し、対処可能なリスクに対応する対処方法を考えます。その出来上がった仕組みを継続的に使っていくことで結果的に稼げるようになるのです。
そして、その根本にあるのがリスクを抑えるためのマインドです。もし、現在のトレードがうまくいっていない場合は稼ぐマインドではなく、リスクを抑えるマインドで見直してみてはいかがでしょうか。