投資を始めようと思っている方なら株取引か、FX取引かで迷ったことがあるのではないでしょうか。
できることなら、自分に合った投資対象を選び、賢く稼ぎたいですよね。
そんな方のためにも、
- 株とFXを徹底比較
- 株とFXの特徴
- 株とFXのメリットとデメリット
を解説してみました。
それに加えて、
- 株取引が合う人の特徴
- FX取引が合う人の特徴
も解説しています。
- どちらで取引しようか迷っている方
- 株取引をしているけど、FX取引にも興味を持っている方
- FX取引をしているけど、株取引にも興味を持っている方
などに読んでいただけたらと思います。
株とFXの8つの違いを徹底比較!
株とFXの違いを下表にまとめました。以下ではそれぞれの項目の解説もしていきます。
株 | FX | |
投資対象 | 企業 | 各国通貨 |
投資対象数 | 3500社以上 | 20~30通貨程度 |
必要な資金 | 数万円から | 数千円から |
1日の値動き | おおよそ1%~30% | おおよそ0.5%~2% |
レバレッジ | 最大約3倍(信用取引) | 最大25倍 |
取引時間 | 平日9時~11時30分(前場)12時30~15時(後場) | 平日24時間 |
手数料 | 高い | 無料(スプレッドが実質的な手数料だが、安い) |
稼ぐ方法 | 売買差益、配当金、株主優待 | 売買差益、スワップポイント |
投資対象|「企業」と「各国通貨」
まず投資対象が、株では「企業」であり、FXでは「各国の通貨」となります。
もし、投資をするとしたら、どちらのリスクが高いと考えますか?
私たちのイメージでは、FXの方がギャンブル性が高く、リスクも高いと考えますよね。
しかし、極端な話FXでは国が破綻しなければその価値は残りますが、株では企業が倒産してしまえば、その価値はなくなってしまいます。
こうして考えると、国と企業、どちらへの投資がリスクの高い投資となるかは、すぐにわかると思います。
比較対象をメジャー通貨に絞れば、破綻リスクという面では、FXの方がさらにリスクが低くなります。
投資対象の数|株3500社以上FX20~30通貨
上表からもわかる通り、株は3500社以上、FXは20~30通貨と選択対象に大きな差があります。
選択対象が多ければ多いほど絞り込みに時間がかかり、様々なフィルターを用意しなければなりません。
しかし、FXでは通貨数が少ないので、選択の際の手間があまりかからないという特徴もあります。
値動き|1日の値動きの比較
加えて興味深いことは、株とFXの1日における値動きです。
FXは値動きが大きいから危険だとか、ギャンブルだなど、と言われることがあります。
このような一般的なイメージから、リスクが高いと思われている方も多くいらっしゃると思います。
しかし、1日の値動きを見ると、株はFXに比べてとても大きな値動きになっているとわかります。
値動きの面からも株の方がリスクが大きいとご理解いただけると思います。
レバレッジ|レバレッジの大きさの違い
では、なぜFXがギャンブルだと思われたり、値動きが大きいと思われているのでしょうか?
その理由は簡単で、レバレッジの大きさからです。
上表からわかる通り、株と比べてFXは大きなレバレッジを使って取引することが可能です。
株では3倍程度ですが、FXでは25倍ものレバレッジを使うことができます。
つまり、自己資金の何倍もの取引ができるということです。
この点は一見するとリスクを大きくしてしまうデメリットのようにも思えますが、メリットでもあります。
なぜなら、少ない資金でも取引可能であり、大きなリターンを狙うことができるからです。
レバレッジは適切に使えばメリットであり、過剰に使うことでデメリットとなり、ギャンブル性を高めてしまいます。
このように、高すぎるレバレッジがFXのイメージをギャンブルや危険というものに結びつけてしまっていると言えるでしょう。
しかし、反対に考えるとレバレッジを適切に使うことができれば、魅力的な投資対象にもなり得ます。
必要資金|取引をするために必要な金額
このレバレッジを上手に使うことで、FXでは数千円からの少額投資が可能となるのです。
一方で、株取引ではFXと比べ、数万円という比較的大きな資金が必要になります。
取引時間|取引可能な時間帯
取引時間に関して、株は平日でも前場と後場の決まった時間帯しか取引ができません。
一方でFXは平日24時間取引ができます。
自分の都合に合わせて取引したい方にはFXの方が取り組みやすくなっています。
手数料|取引コストの比較
そして、投資を行う上で重要になってくるのがコストです。
近年では株の取引手数料が安くなったとはいえ、FXの手数料には及びません。
なぜなら、FXの手数料はほとんどの場合無料だからです。
正確には、スプレッドが実質的な手数料となっているものの、株に比べて少額であり、手数料という側面から見ても、FXの方が有利になってきます。
稼ぐ方法|取引方法の種類
最後に稼ぐための方法として、株では売買差益の他に配当金や株主優待などの選択肢があります。
しかし、FXでは売買差益の他はスワップポイントのみなので、株の方が稼ぐための方法は多いことになります。
以上の事実をもとに株に合っている人、FXに合っている人の特徴を探っていきましょう。
株に取引に向いている人の特徴
株取引に合っている人の特徴は結論から言ってしまえば、
- ある程度の資金が用意できる人
- ファンダメンタル分析をもとに、長期投資を行う人
- 長期的な視点に立って物事を考えられる人
以上のような特徴が考えられます。
では、その特徴を1つずつ見ていきましょう。
ある程度の資金が必要なワケ
前述したように、株を始めるにはFXと比べるとある程度の資金が必要になってきます。
しかし、ミニ株などの少額投資ができる商品も出てきているので、資金が少なくても取引できるでは?と考える方もいらっしゃると思います。
確かに、ミニ株などの単元未満株を投資対象にすれば少額でも投資は可能です。
しかし、少額で株をやる意味とは何でしょう?もちろん資金を増やすことが目的だと思われます。
少額投資と資金効率
資金を増やす目的に合った手段として、ある程度の資金効率が必要だと考えられます。
なぜなら、資金が少額の間は、資金を回転させなければ、ほとんど増えないからです。
例えば、ミニ株を購入していた場合、もっと良い投資対象が出たときに資金が拘束されているため、その資金を他に振り向けることができません。
また、ミニ株を買っている企業の業績が悪くなり、株価が下げ続けるような事態に陥ったりすれば、なおさら資金効率は悪くなり、資金を増やすという目的からは遠ざかってしまうことになります。
ですので、ミニ株などの少額投資は資金効率という面ではあまり良い選択肢とは言えません。
少額投資とコスト
先ほどの例に対して、このように思う方もいらっしゃるかもしれません。
「業績が悪くなり、下がってくれば損切りをして、その資金で他の企業に投資すればいいのでは?」と。
確かに、損切りをすれば次の銘柄に資金シフトさせることができるので、資金効率は良くなります。
しかし、その場合気づかぬうちに、短期投資へとシフトしてしまうことになります。
なぜなら、損切りを繰り返し、新しい銘柄に手を出していくことで、短期取引をしているのと同様の結果になってしまうからです。
本来であれば、少額の資金には短期投資がマッチします。
しかし、ミニ株取引などの少額で行う株式投資の場合は他にも考慮しなければならない要素が出てきます。
それが手数料です。
ミニ株は少額で投資ができる反面、資金に対しての手数料率が高くなり、短期投資を行う上で不利になってしまいます。
その上、取引時間も限定されているので、短期投資を行う上ではさらに不利になってしまいます。
したがって、株取引をするならまず、資金量がある程度あって、短期投資ではなく長期投資を考えたほうが良いと言えます。
ファンダメンタル分析が必要なワケ
次に、株取引では主にファンダメンタル分析を行います。
なぜなら、信用取引を除いて株取引は一般的に買いから入るので、今後上がりそうな株を選ばなくてはなりません。
その際にわかりやすい指標として考えられるのが、企業業績だからです。
ファンダメンタル分析とは企業の財務状況や業績の分析を行い投資判断をすることであり、ある程度の数字を見る力も必要になってきます。
株の場合、対象とする企業は3500社以上もあるので、その中から投資対象を選ぶ際には、企業業績を基準にスクリーニングをして、投資対象を絞っていきます。
ですから、株取引では企業業績を分析するためのファンダメンタル分析が主になってくると考えられるのです。
長期的な視点に立って物事を考える必要があるワケ
さらに、長期的な視点に立って物事を考えることができるということも必要です。
なぜなら、株は将来的に業績が伸びていくだろうという期待によって上がるからです。
例えば、
- 投資対象として考えている企業の業種が今後発展していく可能性はあるのか?
- その企業の技術力やサービスが今後の社会にとって必要とされていくのか?
など、長期的視点に立って物事を考え、将来的にその企業が活躍できるのかどうかを判断していく必要があります。
ですので、普段から長期的視点に立って物事を考えることが得意な人であれば、企業の将来的な価値の把握もしやすくなるのではないでしょうか。
以上をまとめると前述したように、
- ある程度の資金があり
- 長期投資をメインとして、ファンダメンタル分析が得意(好き)な方
- 長期的視点に立って物事を考えることができる人
というのが株に向いている人の特徴となります。
FXに向いている人の特徴
FX取引に合っている人の特徴も結論から言うと、
- 資金が少ない人
- 短期投資
- テクニカル分析などの一定の分析方法を基準にしている人
- 規律と一貫性を持ち冷静に取引できる人
以上のような特徴が考えられます。その特徴を1つずつ見ていきましょう。
資金が少なくても良いワケ
株ではある程度の資金が必要でしたが、FXでは少額投資でこそ、その力を発揮します。
なぜなら、レバレッジが株に比べて高いこと、手数料が無料であることなどにより、少額資金であっても取引する上で不利になる可能性が低いからです。
レバレッジを使うことで、少額資金でも大きな取引ができ、大きなリターンを狙いに行けます。
しかし、注意が必要なのは、適正なレバレッジ以上のリスクをとれば、いたずらにリスクをとったギャンブルになってしまう点です。
必ずレバレッジは適正な範囲内に抑えるようにする必要があります。
レバレッジjの適正な範囲は損失額から考える
では、適正な範囲とはどの程度のことを言うのでしょうか?
一般的に、2~5倍程度ともいわれていますが、どのくらいの損失幅を想定して取引するかなどによって変わってくるので、1回の取引おける損失額を基準に考えたほうが良いでしょう。
1回の取引における適正な損失額は総資金量の2%程度と言われています。
総資金量100万円とした場合、1回の取引における適正な損失額は2万円になります。
損失額が定まればあとは損失幅を設定することで、1回の取引量が算出でき、自ずとレバレッジが決まります。
例えば、ドル円が100円、総資金量100万円、1回の損失額2万円、損切り幅50pipsとした場合
1回の取引量は4万通貨でレバレッジは4倍(100×4万通貨=400万円÷100万円=4倍)となります。
このようにリスクを限定する意味でも、1回の取引における損失額からレバレッジを決めることをおすすめします。
少額投資にマッチする短期取引
そして、FXでは手数料が無料であるため、資金効率の良くなる短期取引にマッチします。
少額投資であっても1回の手数料が無料であるため、細かく利益を積み重ねることで資金効率を高められます。
したがって、資金が少なくてもFX取引をする上で不利になることは少ないと言えるでしょう。
テクニカル分析を使うワケ
株ではファンダメンタル分析を主に行うと説明しましたが、FXではどちらかというと、テクニカル分析に重点を置きます。
なぜなら、テクニカル分析が機能しやすいからです。
その理由としてあげられるのが、価格の連続性です。
価格の連続性とは、言葉通りの意味で、価格が連続して推移しているということです。
テクニカル分析は過去の価格を基準にして分析するものなので、価格データが連続して存在していれば、判断するための材料が増え、正確な分析が可能になります。
FX取引では価格の連続性があるためテクニカルが効きやすい
FX取引は、平日であれば価格が24時間連続して推移しています。
一方で、株は価格が前場と後場で区切られ、平日であっても取引時間内外で区切られることになります。
したがって、株取引では価格の連続性が失われやすく、FXよりもテクニカル分析が機能しずらいと言えます。
特に短期ではその傾向が顕著に出ます。
例えば、前場が終了して後場が始まる前に、良いニュースが出た場合、その企業の株は一般的に買い気配で始まります。
後場が寄り付くころには、価格は高くなってしまい、前場終了時の価格と後場開始時の価格の間にギャップが生じ、価格の連続性が失われることになります。
ですので、短期取引であればなおさら、FXの方がテクニカルが効きやすくなるのです。
一定の分析方法を基準として規律と一貫性を持ち冷静に取引することが必要なワケ
また、テクニカル分析はその都度違った分析方法を使って判断するというものではなく、
- 自分の分析方法を決めておき、
- その分析方法を基準にして、
- 規律と一貫性をもって取引を行います。
その理由としてあげられるのが、一定の分析方法を使わなければ、ランダムに取引を行っているのと変わらなくなるという点です。
ランダムに取引をしていては、自分の分析方法が効きやすい相場状況なのかどうかの判断ができません。
相場状況の判断ができるかどうかで、勝率は大きく変わってきます。
ですので、FX取引を行う際は、一定の分析方法を基準として、規律と一貫性をもち、冷静に取引していくことが必要となるのです。
以上をまとめると、FX取引に向いている人の特徴は、
- 資金が少額でもよく、
- 短期投資をメインとして、
- テクニカル分析が得意(好き)で、一定の分析方法を基準にして、
- 規律と一貫性をもって冷静に取引ができる人
ということになります。
株とFXの比較|まとめ
株とFXの比較を行ってきました。もう一度まとめておくと、株取引に合っている人の特徴は、
- 資金をある程度用意できる人
- ファンダメンタル分析が得意(好き)な人
- 長期投資メインで取引しようと考えている人
- 長期的な視点を持っている人
などが考えられます。一方でFX取引に合っている人の特徴として、
- 資金が少ない人
- テクニカル分析が得意(好き)な人
- 短期投資メインで取引しようと考えている人
- 一定の分析方法を基準として、規律と一貫性を持って冷静に取引ができる人
などが考えられます。
もちろん解説してきたことは絶対ではないものの、ある程度の判断基準として使うことができるのではないかと思います。
ですから、株かFXどちらで取引しようか迷ったときには、ご自分の現状と照らし合わせて考えてみてください。